名人戦第五局テレビ観戦記 |
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挑戦者森内八段優勢のまま、終盤に突入。大方の棋士の予想では、
焦らず平凡な着手で「森内勝ち」だったが、予想をくつがえし、
大盤解説場は一瞬どよめく。
これが「詰めろ」(次に詰ましますよ、という手)になっている
清水女流名人「これは、詰むんでしょうか」
複雑な変化が残る詰めを、谷川・森両九段が智恵をしぼりあい、
詰め将棋の問題となるような華麗な詰め手順が、披露される。
が、が、羽生はかまわず攻める手を指す。
「お〜お〜」、再び場内ざわめく。
これで、森内が羽生玉を即詰みに討ち取る予定だったが、だった
数十にものぼる変化のなかで、ただひとつ詰まない逃げ方があった
解説者も真っ青。
「いやぁ、詰む予定だったんですがね」
「しかし、あの短い時間のなかで、この変化を読み切りますかね。
森内は結局詰ますことができず、息絶える。
ついに羽生は4勝1敗で、名人位を三期連続防衛に成功した。
以上、ドン通信でした。
ただこの日のテレビ放送では、結果的には残念ながら谷川さんは
なんとか奮起して羽生七冠王を破っていただきたいものです。近
森内勝ち!
森内は強気の攻めをみせる。
かどうかを巡って、棋士の真剣な検討が続く。
谷川九段「詰むんですかね。アハハハ・・・」
清水女流名人「いえ、笑っている場合ではないと思うんですが・・・」
谷川九段「そうですよね。アハハハ・・・」
詰みを確認。
お〜、まさに芸術的!
「これは詰めろですから、羽生名人は守りますね」と断言。
が・・・。
とは!
恐ろしいですね」
あ、ただ誤解のないように言っておきますが、私は谷川浩司とい
う棋士が嫌いではありません。むしろ谷川さんの将棋は昔からずっ
と好きで、応援してきたつもりです。光速の寄せはたしかに素晴ら
しいものでした。王将位を失った直後のインタビューの際、「(調
子が悪く)羽生さんに申し訳ないことをしました」と語る谷川さん
には、好感をもちました。
恥をかいたのではないでしょうか。あれが恥でないとするなら、羽
生七冠王との棋力の差が明らかにあるということです。
いうちにきっと・・・。