第55期B級1組順位戦 |
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順位 | 棋士名 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 勝敗 |
昇 | 高橋道雄九段 | ○ 小林 | ○ 塚田 | ○ 井上 | ● 内藤 | ● 田中 | / | ○ 田丸 | ○ 青野 | ○ 福崎 | ● 桐山 | ○ 浦野 | ○ 南 | ○ 有吉 | 9-3 |
2 | 有吉道夫九段 | ● 井上 | ○ 桐山 | ● 浦野 | ● 田丸 | ● 青野 | ○ 南 | ○ 内藤 | ○ 小林 | / | ● 田中 | ○ 福崎 | ● 塚田 | 高橋 | ● 5-7 |
3 | 福崎文吾八段 | ● 田中 | ○ 青野 | ○ 内藤 | ○ 塚田 | ● 小林 | ○ 桐山 | / | ● 南 | ● 高橋 | ○ 浦野 | ● 有吉 | ● 田丸 | ○ 井上 | 6-6 |
4 | 青野照市九段 | ○ 田丸 | ● 福崎 | / | ● 井上 | ○ 有吉 | ○ 塚田 | ○ 小林 | ● 高橋 | ● 浦野 | ● 内藤 | ● 南 | ● 田中 | ○ 桐山 | 5-7 |
5 | 田中寅彦九段 | ○ 福崎 | ○ 浦野 | ○ 塚田 | / | ○ 高橋 | ● 小林 | ● 南 | ○ 桐山 | ● 井上 | ○ 有吉 | ● 内藤 | ○ 青野 | ○ 田丸 | 8-4 |
6 | 小林健二八段 | ● 高橋 | ○ 井上 | ● 田丸 | ● 桐山 | ○ 福崎 | ○ 田中 | ● 青野 | ● 有吉 | ● 南 | / | ● 塚田 | ○ 浦野 | ○ 内藤 | 5-7 |
降 | 塚田泰明八段 | ● 桐山 | ● 高橋 | ● 田中 | ● 福崎 | ● 南 | ● 青野 | ● 井上 | / | ● 内藤 | ● 田丸 | ○ 小林 | ○ 有吉 | ○ 浦野 | 3-9 |
8 | 南 芳一九段 | ● 内藤 | ○ 田丸 | ○ 桐山 | ● 浦野 | ○ 塚田 | ● 有吉 | ○ 田中 | ○ 福崎 | ○ 小林 | ● 井上 | ○ 青野 | ● 高橋 | / | 7-5 |
9 | 桐山清澄九段 | ○ 塚田 | ● 有吉 | ● 南 | ○ 小林 | ● 井上 | ● 福崎 | ○ 浦野 | ● 田中 | ○ 田丸 | ○ 高橋 | / | ○ 内藤 | ● 青野 | 6-6 |
10 | 内藤国雄九段 | ○ 南 | / | ● 福崎 | ○ 高橋 | ● 浦野 | ● 田丸 | ● 有吉 | ● 井上 | ○ 塚田 | ○ 青野 | ○ 田中 | ● 桐山 | ● 小林 | 5-7 |
11 | 田丸 昇八段 | ● 青野 | ● 南 | ○ 小林 | ○ 有吉 | / | ○ 内藤 | ● 高橋 | ● 浦野 | ● 桐山 | ○ 塚田 | ● 井上 | ○ 福崎 | ● 田中 | 5-7 |
昇 | 井上慶太七段 | ○ 有吉 | ● 小林 | ● 高橋 | ○ 青野 | ○ 桐山 | ○ 浦野 | ○ 塚田 | ○ 内藤 | ○ 田中 | ○ 南 | ○ 田丸 | / | ● 福崎 | 9-3 |
降 | 浦野真彦七段 | / | ● 田中 | ○ 有吉 | ○ 南 | ○ 内藤 | ● 井上 | ● 桐山 | ○ 田丸 | ○ 青野 | ● 福崎 | ● 高橋 | ● 小林 | ● 塚田 | 5-7 |
コメントニュース
はじめに決着がついたのは、田中ー田丸戦だった。中盤から田中が優勢を築き、馬を引きつけて自陣を固めると、ゆっくり田丸陣を攻略し余裕の勝利。田丸は自力残留を果たすことができず、他の動向次第では降級のピンチに立たされた。田丸より順位が上の内藤は、これで小林に敗れても降級の心配はなくなった。
次に桐山ー青野戦が終わった。相矢倉から青野が勝ち名乗りを上げ、自力残留を決める。
小林は大阪で内藤と対戦。後手番の内藤が相振飛車に誘い、難解な中盤戦を迎えていた。双方金無双の構えから、内藤が端攻めを狙っているにもかかわらず小林は悠然と▲1八香! この手が終盤になって小林の降級を救った。寄せ合いのとき、1九玉の早逃げを可能としたからだ。小林が競り勝ち、結局5人の降級候補のうち3人が安全圏に入り、降級は浦野か田丸に絞られることとなった。
残るは塚田ー浦野戦のみ。浦野の振飛車に塚田は左美濃で対抗。中盤で浦野が指しやすい局面を迎えていたが、5筋でぶつかっていた歩を浦野が取り込んだ手が大悪手となり逆転。なにかに魅せられたようにふらふらと取り込んでしまった歩を、「なんで取ったんかな・・・」と浦野は悔やんだが、後の祭り。浦野、変調の4連敗。長い一日が終わり、浦野の降級が決まった。
田中寅は青野と対戦。矢倉模様から豪快な攻めを見せ優勢を築くも、終盤に入り青野に追い上げられた。慎重に読みきり、なんとか凌いだものの、青野に勝った時点ではすでに高橋の昇級が決まっていた。田中無念。今期の昇級成らず!
一方残留争いは最終戦へと持ち込まれた。小林は浦野に競り勝ち、最終戦自力残留に望みを託した。降級の可能性のあるのは、小林・青野・内藤・浦野・田丸の5人。
残り1枠を狙う高橋は、浦野との横歩取りの力戦を制した。途中千日手やむなしの局面だったが、高橋が無理やり打開に出たところ、虚を突かれた浦野が応手を誤り、寄せ切られた。
これで高橋にマジック1が点灯した。残り2局を落とした場合は、田中寅が2連勝を遂げれば田中が昇級、田中が一つでも落とせば、南の昇級が決まる。次の南ー高橋戦が大きな山場だ。
高橋とともに2敗で首位に立つ井上は、3敗の南と対決! 力戦型の将棋となったが、南の飛車の横利きが止まった一瞬の隙をつき、井上の雀刺しが決まり、以下一方的に寄せ切った。井上は連続昇級に向け、大きく前進した。
もう負けられない田中寅は、順位が上で3敗の有吉と対戦。相矢倉から互いに馬を自陣に引きつけ、両者ともに負けたくない意志があらわに・・・。火の玉流の有吉が攻めを躊躇した隙に、田中がうまく食いつき、粘着質の攻めで勝利を手中にした。
同じく3敗を守っていた浦野は、福崎とぶつかった。先の竜王戦でも大盤を交え敵意をむき出しにしていた両者の対決は、相矢倉から福崎が入玉を狙う作戦に出て成功、福崎が競り勝った。4敗を守った福崎は、順位が田中よりも上のため、まだ昇級の目が残っている。
8連敗の塚田は、田丸との相横歩取りで逆転負けを喫し、ついに9連敗! 降級が確定した。 10回戦を終え、8勝2敗で井上が単独トップ! そのあとを6勝3敗で高橋・田中、6勝4敗で南・桐山、5勝4敗で福崎・浦野が追っている。
残留をかけた大一番は、内藤ー塚田戦。相掛かりからはじまった力将棋も、中盤ではすでに内藤優勢。塚田に大勢を挽回する一手があったが、踏み込めないまま好機を逃し、まさかの八連敗を喫した。内藤にはまだ自力残留の目が残っている。
9回戦を終わり、トップは7勝2敗の井上。そのあとを6勝2敗の高橋が追走し、一歩遅れて6勝3敗の南、5勝3敗の田中、浦野が続いている。
内藤は中盤のミスで井上に惜敗。午前一時に及ぶ死闘を落とした。感想戦もなく立ち去ったという内藤の胸中はいかに・・・。次の塚田戦を落とすと、降級の目も十分にありえる。
8回戦を終了し、抜け番の関係で井上が6勝2敗と半歩抜け出ている。高橋、田中寅が2敗を守ってはいるが、まだまだ星のつぶし合いが続きそうだ。
田中に代わってトップに躍り出たのは、対塚田戦を制した井上! 塚田のひねり飛車をつぶし、5勝目をあげた。
2敗同士で迎えた高橋・田丸戦は、矢倉から一手を争う激しい終盤に突入。高橋に会心の攻防の一手が出て、田丸に競り勝ち、2敗を守った。
関西では積年のライバル・内藤ー有吉が一戦を交えた。相居飛車の力将棋は内藤が入玉を果たし、あとは有吉の入玉を待って駒数計算を残すのみ。有吉がきわどく粘って持将棋が成立した。指し直し局は内藤のひねり飛車から優劣不明の混戦が続いたが、午前2時41分、有吉が勝ちを決めた。
これで単独トップに5勝2敗の井上が立ち、そのあとを4勝2敗で高橋・福崎・青野・田中の4人が追う展開となった。予想のつかない大混戦だ。
一方、不調の続く塚田は相掛かり空中戦から果敢な攻めをみせ、
青野に迫るも、見事に受け切られてまさかの六連敗!
一敗で田中を追走していた浦野が井上に敗れたため、
依然田中が単独トップの座を占めている。
これで高橋・福崎・田中が3勝で並んだ。