そのなかでもっとも早く結果が出たのが、室岡ー北浜戦だった。室岡は北浜に敗れ、キャンセル待ちの権利を失っている。こうなると中田功ー先崎戦に注目が集まる。後手番の先崎は、中田の得意戦法三間飛車を逆手にとり、中田に居飛車を強要した。先崎が穴熊を目指すと、中田は左翼から盛り上がる作戦に出たが、機敏に６二に飛車を回られ苦戦。そのまま先崎が中田を振り切り、キャンセル待ち一番乗りを決めた。

一方中川は堀口弘と対戦。中川先手で横歩取り３三角の空中戦で将棋は進んで行く。堀口陣を乱し、中盤では早くも中川が優勢に立った。危なげなく89手で中川が勝ちを収め、すんなりと昇級を決めた。中田ー先崎戦が終わってから６分後のことだった。

小林宏は三浦と対戦し、もつれた将棋をものにしたが、終局の時点では昇級の目は残っていなかった。

２敗陣は軒並み勝ち残った。中川は久保の三間飛車に苦戦。居飛穴は完成させたものの、久保に駒を捌かれ劣勢に立たされていた。しかし昇級への執念が粘り強い受けの好手を誘うと、局面はもつれ出した。居飛穴の堅さが徐々に活きる展開となり逆転。兄弟子先崎のかたきを討ち、最終局に自力昇級を残した。

中川に次ぐ順位の小林宏は、堀口との相矢倉戦から激しい終盤戦を迎え、自玉に詰みが生じていたが、堀口がこれを見逃したために逆転に成功した。
室岡は真田を横歩とりから破り、先崎は西村の四間飛車に腰掛銀居飛穴で勝利を収め、２敗を守った。

残る昇級枠にもっとも近いのは中川。最終局に勝てば昇級が決定する。同じく２敗で小林・室岡・先崎が続いている。

１敗を守っていた神崎は、中田宏に手痛い２敗目を喫した。矢倉の終盤戦、詰めろ逃れの詰めろが飛び交い、神崎が持ちこたえたかと思われたが、うまそうに見えた手が悪手に！　ついに２敗となり、昇級戦線から一歩後退した。

同じく１敗を守っていた室岡も敗れたため、８回戦を終わり先崎が単独トップに躍り出た。そのあとを６勝２敗で阿部・神崎、５勝２敗で中川・真田・小林宏・室岡・中田宏が追っている。先崎は単独首位とはいえ、順位からしてあと一つ負ければ昇級は絶望的となる。ひとつでも負けたものが、昇級から脱落するのは、誰もが同じ条件だ。

同じく１敗を守っている中川は、２敗の伊藤果と対した。風車戦法に中川は居飛穴で対抗する。１、２筋を破られた伊藤は早々と入玉を狙い、玉を上部に脱出させたが、中川は焦ることなく残された敵陣の駒を拾い集めていく。入玉を果たしたものの、駒得をいかした中川の執拗な攻めに、伊藤の玉は捕まった。

日浦は阿部に敗れ、２敗を喫し後退。神崎、室岡は手堅く勝ちを収めた。

これで１敗をキープしているのは、神崎・中川・室岡・先崎の４人となった。調整の関係上、６勝をあげている神崎が相変わらずトップを走っている。
昇級をかけた１敗同士の大一番、先崎ー中川の兄弟弟子決戦は、次回組まれている！

１敗を守っていた阿部は、中田功の四間飛車に急戦を仕掛けるが、中盤はすでに振飛車ペース。中田功の玉頭攻めに音を上げた。

久保は中田宏の玉頭位取りにあい銀損を喫するも、終盤飛角を切って喰らい付き、昇級への望みをつないだ。

これでＣ級１組のトップに躍り出たのは、５勝１敗の神崎！
そのあとを４勝１敗で、中川・真田・日浦・室岡・先崎の５人が追っている。

屋敷は必敗形の将棋をひっくり返し、北浜に競り勝ち、昇級に望みを託した。

調整回のため５回戦は５局のみ。
トップは４勝０敗の室岡、そのあとを４勝１敗で阿部・神崎が追っている。

真田・神崎戦は、神崎が寄せをしくじり逆転。連勝が止まった。
中川も中田宏に負けたため、全勝は４回戦が抜け番の室岡ただ一人に！
３勝１敗で６人が続いている。

中田功・久保の両振飛車党の戦いは、熱戦の果てに中田が久保の振飛車を抑えて辛勝！
終局は夜中の一時近くだった。

屋敷は後手番矢倉を制し、白星先行！
昇級候補と見たい。

これにて、三連勝は中川・神崎・室岡の三人となった。
室岡の連勝はどこまで伸びるのだろうか？