第44期王座戦 |
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羽生は3連勝で王座防衛に成功した!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
羽生善治王座 | ○ | ○ | ○ | / | / |
島 朗八段 | ● | ● | ● | / | / |
島研で親交を深めてきた二人の対決となった。
羽生将棋の研究を数年来続けてきた島に、秘策はあるのか?
注目の第一戦は、9月3日、東京・赤坂の「全日空ホテル」で幕を開ける。
中合の歩で大逆転! 羽生が先勝!
戦型:相矢倉3七銀型
結果:117手で羽生逆転勝利!
先手番を引いた羽生は、プロ間で高勝率を誇る3七銀型の布陣を敷く。
日頃から「後手番矢倉が最大の課題」と言ってきた島には、実は秘策が用意されていた。
▽七三銀▲4六銀▽4五歩の早仕掛けが、島が深く研究していた変化だった。
島の研究が功をなし、誘い込まれた羽生の形勢が次第に傾いていく。
控室でも島優勢の声があがる。
夕食休憩、いつもきっちり一時間の休憩をとる羽生が、なかなか盤から離れない。
一人で盤面をにらみつけている。
休憩後も再開15分前に入室し、読みにふける。
終盤に入り、いよいよ島優勢。
島勝ちの結論が控室でも出始めた頃、島に痛恨の一手が出た。
角筋の王手に対し、中合に歩で受けた手が大悪手。
羽生の指が勝ちを確信し、ノータイムでしなる。
中合に銀を使っていれば、この瞬間、羽生玉に必至をかけ、島の勝ちだった。
しかし、歩では必至をかけたとき、島玉に即詰めが残ってしまう。
勝ちを意識したわずかなスキが、一瞬の大逆転を呼んだ。
島に痛恨の見落とし! 羽生が連勝!
戦型:横歩取り3三角型
結果:70手で羽生圧勝!
前局に続き、島は今回もスーツを着用。
島の横歩取りに、羽生は3三角の流行型で応戦。
34手目までは、2日に同所で行われた女流王位戦第1局・石橋ー清水戦と
まったく同じ進行に!
羽生が1筋から攻め込む間、島は8筋を破り、形勢は羽生やや良し。
しかし、島が数手後の羽生の寄せを見落とし、飛車の逃げ場所を誤った。
羽生はこれをとがめ、先手で角を打ち下ろす。
やがて、島が「気がつきませんでした」と局後語った好手が飛び出した。
もはや盤面は大差がつき、島必敗形に!
島が早めに投了を告げた。
空中戦を羽生が制して連勝! 早くも王座防衛に王手!
羽生完封勝ち! 5連覇達成!
戦型:角換り後手棒銀
結果:91手で羽生完勝!
羽生が角換りに誘うと、島も素直に応じ、棒銀に出る。
旧来の戦法をとった島に奇策はあるのか!?
7五歩からつっかけたあと、島は当然のように7二飛と寄ったが、
羽生が渋く6七銀と引いた手により、攻め足が完全に止まる。
両者ともに自陣に手を戻し、島は再度攻め込むも、
羽生の迎撃体制は十分に整っていた。
島の攻めを見切り、羽生は強手で応える。
以下、羽生ペースで中盤戦突入。
終息に向け、鮮やかな寄せを羽生が見せた。
しかし、感想戦で羽生は、島に受けの妙手があったことを指摘。
その順をたどれば、まだまだもつれていた。
これで羽生は3連勝で王座防衛を果たし、5連覇を成し遂げた。
新設された名誉王座の称号も得、王座戦での通算成績を15勝1敗とした。
羽生王座
「初戦の負け将棋を拾ったのが大きかった。
2、3局目は気分的に楽に戦えました。
ひとつのタイトル戦が終わってほっとしています」
島八段
「1局目は勝てるチャンスがありました。
それを勝てなかったのも、実力です」
王座戦本戦トーナメント
┣━内藤━┓
内藤国雄九段━━━┛ ┃
┣━島 ━┓
浦野真彦七段━━━┓ ┃ ┃
┣━島 ━┛ ┃
島 朗八段━━━┛ ┃
┣━島 ━┓
高橋道雄九段━━━┓ ┃ ┃
┣━高橋━┓ ┃ ┃
丸山忠久六段━━━┛ ┃ ┃ ┃
┣━高橋━┛ ┃
脇 謙二七段━━━┓ ┃ ┃
┣━脇 ━┛ ┃
佐藤康光八段━━━┛ ┃
┣━島 =優勝
米長邦雄九段━━━┓ ┃
┣━村山━┓ ┃
村山 聖八段━━━┛ ┃ ┃
┣━谷川━┓ ┃
泉 正樹六段━━━┓ ┃ ┃ ┃
┣━谷川━┛ ┃ ┃
谷川浩司九段━━━┛ ┃ ┃
┣━谷川━┛
森下 卓八段━━━┓ ┃
┣━神崎━┓ ┃
神崎健二六段━━━┛ ┃ ┃
┣━森 ━┛
中原誠永世十段━━┓ ┃
┣━森 ━┛
森けい二九段━━━┛
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