修羅しゅらら日記 |
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「インターネット」と「セブン」を見てみた。これもロングバケーションの余裕のなせる業だろうか。
「インターネット」はなかなか楽しめた。インターネットを通じ、ハッカーのグループが国家機密を自由に塗り替えてしまう。平凡な一市民が、ある日突然犯罪者に仕立てあげられる当たりは、サスペンス映画ならではの迫力がある。
しかしだよ、いくら社会から隔絶して生きているからといって、顔見知りの近所の人も友人もいないっていうのは、ちょっと考えにくい。でも恐いかもしれない。コンピューターで指紋を照会したところ、あんたの名前はペケペケで、こんな犯罪歴があるって言われたってね、これは焦るよね。
いざというとき、自分のことを証明してくれる友人ってやっぱ必要だよね。その点私は・・・ちょっと怪しいかもしれない。(^^;
あ、だけど思うんだけど、日本ってお役所仕事という割りには、それなりに融通がきく国のような気がする。「インターネット」の状況をそのまま日本にもってきても、やはり無理がある。
逆に発展途上国のほうが、書類に関してはうんざりするほどうるさい。書類にひとつでもミスがあると、頑として応じてくれない。だからきっと「インターネット」のように、コンピューター上のデーターを操作されようものなら、そうした国はたちまちパニックになるだろうね。
誰か知人が「このデーターは間違ってます」といくら証言したところで、「書類上ではこうなっています」と突き返されることになる。ではどうすればよいのかというと、これがどうにもならないケースが多いんだよね。私も旅先でずいぶんこれに苦労させられました。
そういえば大学生だった頃、カレーを食べたいと言ってインドに旅立った先輩は、結局そのまま消息を絶ってしまったが、今どうしているのだろうか。(これ、マジです(^^; )
まぁ、そうした国ほど、賄賂がものを言うのもたしかだけどね。
もうひとつの「セブン」は、うーん、見ない方が良かった気がする。とにかく後味の悪い映画なんだな、これが。(-.-)
それに同じようなストーリーは海外のミステリーで読んだ覚えがあるのだけど、どうにも思い出せない。どうせ2時間費やすなら、ミステリー一冊読んだ方がましだぁ!
元気な人はやっぱり元気だし、昔きれいだった人はやはり今もきれいである!
変わったことと言えば、マドンナの足がちょっとだけ太くなったことだろうか。(^o^)
Y氏一家とヤヨちゃんファミリー、マドンナ一族とH君、そして我が家の総勢16人の集まりである。
ヤヨちゃんのところのいつも元気なわんぱく坊主二人が、今日はちょっとおとなしめである。
弟君が交通事故にあってしまい、松葉杖をついての参加のせいだろうか。
この兄弟のうるささには定評がある。いつだったか、Y氏が本気で弟君と喧嘩をしでかし、周囲が見守るなか握手をして仲直りするという事件があったっけ。
だがナンバー3のわんぱく坊主は今日も健在だった。
わんぱく兄弟に負けず劣らぬ悪戯っ子は、マドンナの旦那の秀くんである。
相変わらず元気に河原を駆け回っている。
だが我々の前には、Y氏がこの日のために大枚をはたいて買ったというルアー一式が、燦然とした輝きを放っている。H君はさっそく釣竿を手にすると、まるでゴルゴ13がライフルを組み立てるかのように、手際よく竿をつなぎ合わせ、糸を通していく。その素早さに、周囲から感嘆の声が上がる。
やがてH君はすっくと立ち上がると、ルアーを川にびゅんと投げた。だがびゅんと投げた割には、ぼちゃっと鈍い音をたて、ルアーはすぐ足元の浅瀬に落ちる。
焦ったH君は糸を長くしようとルアーを巻くのだが、糸はうんともすんとも動かない。
エプロン姿のよく似合っているヤヨちゃんの旦那が、フライパンを片手にルアーの様子を見に行く。
そして叫んだ。「あれっ、組み立て方全然違っているよ!」
すでにそのとき、H君の姿はなかった。
H君は機械にはてんで弱いが、実はルアーにも弱かったようである。
宴もたけなわ、焼肉が次から次へと皿に山盛りにされる。が、どうも変な味がする。よく見ると、焼肉の上に空から灰が降り掛かってくるではないか。
これはもしや、サイババのバプーティではと思い、奇跡を目の当たりにした感動に震えているとY氏が言った。
「あんなところで焚き火をはじめたんだね」
振り返ると、どこぞのおじいさんがすぐ後ろでゴミを燃やしていた。
なにもこんな近くでゴミを燃やさなくてもいいのにとは思ったのだが、ものは考えようである。
我々のゴミも燃やせるのだから、持ち帰らなくてすむ。
おじいさんがどこかへ消え、水着姿の女の子が一人火に当たっているチャンスを捉え、Y氏がささっとゴミを火にくべようとすると、その子がY氏をきっと睨み叫んだ。
「ペットボトルはいけません。今日は燃えるゴミの日でしょう!」
Y氏は女の子に謝りながら、頭を下げて戻ってきた。
なぜかY氏は子供によく叱られる。
腹いっぱいバーベキュー料理を堪能したあとは、お待ちかねのフォークソングの時間である。
Y氏が二台のギターを乳母車に乗せ、運んできてくれた。
そう、ギターさえあれば我々はすぐに盛り上がることができる。昔はやった歌を奏でれば、誰の胸にも懐かしき青春時代が蘇る・・・はずだった。
だが、幼子の世話にきりきり舞いしているお父さん、お母さんを前に、フォークソングは無力だった。
誰も聞いてはいない。
集まってくるのは見知らぬ子供たちばかり。
ギターに合わせ、子供たちがダンスを踊り出す。野外ディスコの誕生だぁ!
というわけで、フォークソングの時間は一曲で終わりとなった。
知らず知らずのうちに、やはり歳月は過ぎ去っているのかもしれない。
皆さんまた会う日まで、ツァイチェン!
数日前からの場所取り合戦はいつも熾烈を極める。我が家も二日ほど前から陣をひき、毎日朝と夕方には横取りされていないかと、確認に赴く繰り返しである。
そんな苦労の末、ファミリープラス大学の後輩に当たるナカツ君をまじえ、花火観戦に出かけた。
夜空に五色の火花が飛び散り、まもなく大音響が響き渡る。
その花火を目にする度に、ここが自分にとっての故郷なんだという思いが、込み上げてくる。
スターマインが打ち上がった頃、連れがどうしてもトイレに行きたいと訴える。
やむをえず席を立ち、トイレを目指し人混みをかき分け進んだのだが、かなりの行列ができている。
豪快な花火の音に便器が震えるせいか、トイレから時折悲鳴があがる!?
なが〜く待たされ、再び人をかき分け元の場所にたどり着くと、もうくたくた。
ようやく落ち着いて夜空を見上げようとすると、なぜかすでに水上スターマインがはじまっている。
あれっ、水上花火はラストから二番目のはずじゃなかったっけ、と嫌な予感に襲われる。
左右に離れた水上花火が次第に近づき、やがてひとつに重なり、巨大な半円が湖上に描かれる。
諏訪湖名物のキス・オブ・ファイアーである。
そしてアナウンスが流れた。
「いよいよ、最後となりました。ナイアガラの滝です」
なぜか今年の花火はトイレに行って終わったように思えて仕方ないのだが、気のせいだろうか。
全長二千メートルのナイアガラの滝が、一斉に湖上に流れ込む。
見渡す限りの光の幕は、いつ見ても哀愁を漂わせている。
やがて最後のスターマインが、ナイアガラの滝の上空を染め、諏訪湖花火祭りの終わりを告げる。
気がつけば、秋風が湖上をそよいでくる。
諏訪の夏も、もう終わりだ。
家に帰り有線放送で花火祭りの実況放送を見た。
「えっ、こんな花火あったっけ?」
茶の間はしばし、笑いに包まれた。
この日のために神奈川から徹夜でかけつけたT・Yとともに、いざ長野へ!
切符を買う時間がなく、あわてて電車に飛び乗ったところ、駅員さんが巡回にやってくる。これがなかなか面白い駅員さんで、妙に気が合ってしまう。お盆の帰省客のため車内は超混んでいるにもかかわらず、いつのまにか三人で掛け合い漫才をやっている状況になってしまった。
その甲斐あってか、電車賃がなぜか非常に安い。どう計算しても特急料金が入っていない。
きっと計算を間違えているとは思ったのだが、わざわざ申告するには勇気がいる。
社会正義を貫くべきか、このまま幸運に便乗すべきか、心の中で葛藤がはじまる。
どうしたものかと無言のままT・Kと顔を見合わせているうちに、お互いの考えていることがどうやら一致したようだ。
「きっとまけてくれんだね」
先に口を開いたのは、こぼれんばかりの笑顔を向けるT・Kだった。
「そうか、いい人だったんだね、ハハハ・・・」
車内はしばし笑い声に包まれていた。正義は・・・弱い。
十二時半にようやく東急デパートにたどり着き、一目散で将棋のコーナーへと向かう。
まずはトーナメントに入って久々に腕試し、と勢い込み係員に参加方法について聞くと、
「受付はもう終わりました」の冷たい声。
その瞬間、背後からT・Kの刺すような視線を感じる。
「あ、でも、ほら、指導対局とかあるし、羽生さんとか、谷川さんとか、有名棋士がいっぱい来てるじゃないか、ほらあそこ」と、指をさそうと右を向き、左を向き、念のため360度回転したのち、指の置き場所がないことにやっと気づいた。
知っている顔は中井広恵五段だけ。あとはよく知らない棋士ばかり。こんなはずではないと予定表を見ると、羽生さんは昨日、谷川さんは明日、加藤さんも米長さんも中原さんも森下さんも、なぜか今日だけはきれいに避けている。
全日程のうち、一番の厄日が今日だったようだ。
「やぁ、はるばる神奈川から来た甲斐があったよ、うん」と、T・Kが腕を組んでうなづく。
「やぁ、やっぱり事前に調べておくべきだったよ、うん」と、こちらも腕を組んでうなづく。
まぁ、なにがあるかわからないのが人生ってやつだ。
この際、とにかくなにかイベントに参加しようと思い、とりあえず行列に並んでみた。
なんの行列かよくわからないため、前の人に聞いてみると、「僕もよくわからないんです」との返事。う〜む、気長に待つしかない。
やっと順番が来た。なんと、プロ棋士との指導対局が受けられるというではないか、なんてラッキー! そそくさと対局上へ向かおうとすると、受け付けのお姉さんに呼び止められる。
「お客様、先に一万円お支払いください」
へっ、なんですかと、もう一度聞き返したが、「ですから一万円です」と手を差し出されてしまった。
どうしたものかとT・Kに聞くまでもない。こうした場合、我々の取る行動は決まっている。
「お仕事ご苦労様です」
せっかく差し出してくれた手を無視するのも悪いと思い、お姉さんと堅く握手だけすると、我々はその場をあとにした。
奨励会三段の佐藤紳哉氏との十分切れ負けの指導対局だけは500円と安かったため、受けられたのだが、T・Kは平手、私は飛車落ちで見事惨敗を喫してしまった。
あんな悔しい負け方をしたのは、初心者の頃以来だ。ちょっとショックである。
するとT・Kが胸を張って言った。
「やっぱさ、電車賃ごまかしたのが悪かったんだよ、うんきっとそうだよ」
将棋に負けたことと電車賃がどういう関係にあるのかよくわからないのだが、そうだったのかと納得すると、妙に気が楽になった。
彼も来年当たりは信州に帰ってくるようだ。
電話であれこれアドバイスしていてもよくわからない。実際にワープロ持参の上、挑戦してみることにした。
H君はルアーには強いが、機械にはてんで弱い。まぁ、ハガキ印刷程度ならすぐにできるだろうと軽く考えていたが・・・甘かった。
「これ高かったんだ」と盛んに強調する彼のもってきたワープロを見た瞬間、あんぐりと開いた口を塞ぐのにおよそ46秒はかかっただろうか。H君が一週間も費やしてハガキ印刷ができない理由がようやくわかった。
こんな出始めの頃のふる〜いワープロが今も動いているなんて・・・。う〜む、たしかに高かったかもしれない。これはハガキ印刷というよりも、なんでも鑑定団に出すべきかもしれない、とは思ったがここはぐっと抑えて、機転をきかし、自宅のマックを使い印刷することにした。
ワープロで作った文面をテキスト変換すればよいだけのことだ。マックにかかればこんなもの造作もないこと、とニンマリしたときH君が言った。
「まず印刷が先やんけ。印刷がうまくいったら文章を打とうと考えとったんや。だから文章はこれからなんや」
おいおい(^^;
なんのことはない。結局いちから始める羽目になってしまった。
それにしても彼はなぜときどき大阪弁をしゃべるのだろうか。
苦心の末、すべてが完了したのは二時間後だった。ハハハ・・・、マックに不可能はない。
たとえ往信と返信の印刷が逆になっていたとしても、たいした問題ではないだろう。H君も大雑把な性格の人だから、そんな細かいことには気づいてないようだ。
だから・・・このまま黙っていよう! m(_ _)m
だが今年は違う。参加者もだいたいはっきりしてきた。今年の夏はちょっといつもと違うのだ。
近くの河辺で、渓流釣りを楽しみながら、ギターをもって歌いあう!
う〜む、なんてドラマチックなんだ。青い山脈でも聞こえてきそうだ。
ただ問題はこの渓流釣りだ。地形からするとルアーが必要なのだが、穴場を見つけないと、なかなか釣果は上がらないらしい。
子供の頃から渓流を自分の庭のようにして過ごしてきたH君が、そもそも渓流釣りとは・・・と、講釈を垂れはじめる。長いなが〜い説明は、いつのまにか彼女の自慢話になってしまい、なにを言おうとしているのかよくわからないのだが、ようするに道具さえしっかりしていれば大丈夫と言いたかったようだ。
そこでさっそく主催者のY氏に、ルアー釣り一式がそろっているかどうか確認することにした。
「えっ、ルアーの道具? 調べてみるけど、そういえば僕は釣り道具なんてひとつももってないよ」 (@.@) /
あわててあっちこっちに連絡してみたけど、結局誰一人釣竿すらもっていなかった。仕方がない。H君の釣り道具だけでみんなで力を合わせてがんばろう、と思っていると、H君が言った。
「ところで俺の釣り道具は、妹がカンボジアにもっていってしまったぞ」
(^^; まぁ、そういうこともある。バーベキューに魚がなくても、我慢しよう。
その夜、Y氏からメールが届いた。
>道具ですが、僕のほうでは、川の水とか、照りつける太陽とか用意できるのですが
>、バ-ベキュ-セットとかもってないのですが・・・。
へっ、ー(*_*)/
盲点だよね。これって意外と気づかないよね。
野外でバーベキューやるんだから、そうか、バ-ベキュ-セットとかいるんだ!
釣り道具よりこっちの方が大切なんじゃない!
バーベキューパーティの日まで、あと4日・・・
う〜ん、少し暗雲がたちこめてきた。
今月はちょっとばかりゆっくりしよう。読みたい本もだいぶたまっている。
そういえば、寅さんが亡くなったそうだ。シリーズ48作のうち、信州を舞台にした作品はどれだけあったっけ?
たしか小諸と大町、軽井沢での撮影があったと思うけど、よく覚えていない。パソコンに向かっている今も、「男はつらいよ」の追悼番組が流されている。
別に恒例の正月映画を見に映画館に通った覚えもないけれど、寅さん映画のもつあたたかさは好きだった。
女優の誰かが、「寅さんのいない日本は寂しい」というコメントを残していたけれど、その言葉がなぜかしんみり染み渡ってくる。
信州には早くも秋風が吹いてきた。
もうすぐ、夏も終わる・・・。
そうそう先日久しぶりにヤヨちゃんが遊びに来た。なんか年の割りに若返ったような気がする。「じゃらん」の編集の仕事をはじめてから、往年の輝きが戻ってきたのかもしれない。と、中学の頃ひそかに想いを寄せていた前科があるだけに、少しよいしょしといてと・・・(*^^*)
でもそのヤヨちゃんも、このところ深刻な悩みがあるらしい。
「私って昔から自分のこと文学少女って思っていたんだけど、本当は営業向きの人間だったんだって気づいたの」
思わずうなずくと、なぜかきっと睨まれた。
久しぶりだと話もはずむ。なんとなく人生相談っぽくもなっていたけど、楽しい時間だ。帰りがけにヤヨちゃんがつぶやく。
「やっぱ私、山本君とかY氏とか大切にしなくちゃいけないね」
なんか、ジーンと響く言葉!
「ハハハ・・・、まぁ、俺にできることがあったらなんでも言ってよ」
照れながらもニヒルに決めると、ヤヨちゃんがうれしそうに言った。
「実は来月実家に引っ越すの、よろしくね!」
(*_*)
や・ら・れ・た・・・。
このところ引っ越しばかりだぁ!
でもそんなヤヨちゃんでも、短歌に不思議な才能を発揮している。
もしかしたら、平成の俵万智になるかもしれない。
引っ越しのときには、サインをもらっておこう。